活動の柱

「親子山学校」が大切にしている、考えや取り組み方を ご案内しています。

子どもたちと登った北八ヶ岳の縞枯山(2016年夏)


親子山学校の活動主旨を知っていただくには、「なぜ親子で山に登るのか」、「親子で登る山にはどんな苦楽があるのか」に答えなければなりません。その答えの一つとして、小著『4歳から登れる首都圏の親子山』の「はじめに」に書いた文章を紹介するのが一番分かりやすいと思いますので、ここにその全文を掲載します。

4月からの入校を検討されている親子は、どうぞご一読ください。

※2017年度キッズクラス第7期生の募集要項は、2017年2月13日(月)から17日(金)の五日間、当サイトにアップし、応募を受け付けます。

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街の中なら車道と歩道は区分けされ、バリアフリーも進んでいます。子どもがダダをこねれば、階段を避けてエレベーターに乗ることもできます。食堂に入れば子ども向けのメニューもあって、味付けや量も大人とは違います。

ところが山には、子どものための区分けはなにもありません。

たしかに昔と比べて、山の情報はたくさんあります。登りたい山のことはネットで簡単に検索でき、山の本や地図も豊富です。子ども向けの登山用品も増えました。

しかし、実際の山は子どもだろうと登山家だろうと、一切おかいなし。5キロの道のりは、誰が歩いてもきっかり5キロ。50センチの段差は、誰が通ろうと50センチ。びた一文負けてくれません。

さらに山登りは、歩いて移動するスポーツですから、道は刻々と変化します。つまり、問題の多い道を移動して行くのが登山なのです。

山は均一であることも、かたくなに拒否する場所です。言い方を変えれば、多様性があって、違ったものを受け入れてくれる場所です。

私が主宰する「親子山学校」には、毎年200名前後の親子が登録し、一年を通して親子トレッキングをやっています。参加する子どもたちは、4歳児から小学校6年生まで、年齢も学年もさまざまです。

子どもの中には、跳び箱が苦手な子、鉄棒の逆上がりができない子、自転車に乗れない子どももいます。花粉症の子、食物アレルギーの子、アトピー性皮膚炎の子、発達障害を抱えている子もいます。子どものハンディキャップは一人ひとり違います。

親はどうでしょうか。シングルマザーもいれば、仕事や育児に疲れた共働きの親もいます。コミュニケーションがへたな親。何事にもルーズな親。山でもずっと子どもを叱ってばかりいる親。子ども以上に未熟な親の、なんと多いことか。

これは悪口ではありません。一人ひとり違った悩みや欠点を抱えながら、それでも生きていくのが世の中であり、それが人間です。そこへ持ってきて、問題だらけの山道を、親子で登ろうというのです。

だから悩み多き親子であっても、助け合い、我慢しなければなにも進まず、なにも終わらない場所だということにやがて気づくのです。つまり、親子登山は「子育ての延長」だったのです。

長野県の入笠山にある「マナスル山荘本館」の山口信吉さんは気象予報士の資格を持つ方です。

「雨上がりの虹を誰かと一緒に見えげても、虹は立っている場所や角度で一人ひとり、色も形も違って見えているんですよ。ですから私とあなたが見ている虹は同じものではありません」

山登りもまったく一緒です。同じ山でも、登る人それぞれで見えるものは違います。ですから、どこに登ったかではなく、あなたと子どもがどう歩き、どう登ったかが大事なのです。

本書では、首都圏周辺で親子山学校がフィールドとしている魅力的な山を厳選し、山によっては2つか3つのコースを紹介しています。いろんな角度からその山を味わい、力量に応じて登ってください。あれもこれもと欲張らずに、お気に入りの山に出会えたら、何度でも通ってみてください。

小さな子どもほど、繰り返し登る山に親しみを覚えます。この木橋の上で大きなカエルに出会った。この小道でドングリをたくさんひろった・・・。大人でも忘れていることを、子どもはよく覚えています。「知っている世界」に触れること、それが子どもの喜びです。

ひとつの山を親子でたっぷりと味わってから、ようやく次の新しい山に向かう。最初のうちは、それくらいゆっくりと始めてみてはいかがですか。登った山の数や高さを競うのではなく、子どもと一緒になにを共有し、どう過ごしたか。親子登山や子育ての醍醐味は、そこにあります。

親子山学校
関良一

『4歳から登れる首都圏の親子山』(←クリックで旬報社の書籍販売サイトへ)


『4歳から登れる首都圏の親子山』表紙カバー(旬報社)


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