キッズクラス

満4歳以上の子どもと親が、 一年間の低山トレッキングを通して <歩くチカラ>を育む「キッズクラス」―――。

雨でも登る親子山学校(陣馬山)


2018年度の「キッズクラス」募集開始が、2月13日に迫ってきました。前回掲載した「Q&A」のPart2として、もう少し突っ込んだ内容をお届けします。安易な気持ちでやって来る親子は勘弁してほしいので、前回よりぐっと本音で回答しています。




2018年度の「キッズクラス募集」はすでに終了しております。2019年度の募集は2019年2月半ばを予定しています。
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「2018年度キッズクラス募集について」Q&A Part2

Q・なぜ山登りを毎月一回、一年間も通してやるんですか?
A・親子山学校では、同じ顔触れの親子メンバーが集まって、一年間活動します。一元さんの参加は一切お断りしています。山登りは、それが親子登山と称するものであろうと、登る山が低山であろうと、常にリスクが伴うスポーツです。親子山学校の山登りの形態は、団体登山に当たるため、参加するすべての親子に危機管理能力や主体性、協調性や想像力がなければ、安全登山は維持できません。山での基本的な注意事項や、対応の仕方をカラダで覚えるには、最低でも一年間、様々な季節に山登りをしてみる必要があると考えます。最初の一年目を全12回、休まずに参加した親子は明らかに成長しますし、休みがちな親子はいつまでたっても仲間にも山にも馴染めずに、ビギナーのままで終わります。楽しいことばかりでなく、苦しいことや辛かったことも、仲間の親子と共に一年間継続して初めて生かされます。

Q・低山しか登らないんですか?
A・キッズクラスでは4歳児から小学生までの、体力、判断力、性格にも個人差がある子どもたちで構成されています。そうした中でも、主眼に置いているのは学校に上がる前の未就学児です。この子たちが山登りを通して「歩くチカラ」を身に付け、「健全なココロとカラダを育んでもらう」ことがキッズクラスの活動主旨です。そうした小さな子どもにも、無理なく、どんな季節でも余裕をもって登れる(通える)ためには、標高の低い山が適しています。低山の中でも、アクセスが良いこと、登山道が整備されていること、エスケープルートも含めて複数のルートが選べること、様々な登山道の形状が学べること、茶屋やトイレがあることなどの諸条件を満たしている低山を選んで登っています。

キッズクラスで登る山は、毎年ほとんど変わりません。何度でも繰り返し登ります。小さな子どもには、それで十分だからです。百名山めぐりをする大人のように、子どもに次々と違う山の頂上を踏ませることには、何の意味もありません。そもそも、そんな能力を持っている子どもは百人に一人いるかどうかでしょう。ほとんどの子どもが、持久力も根気もなく、変化する自然に対応できる能力も判断力もありません。親子山学校の目的は、子どもに登山経験を積ませることではなく、人間としての土台をつくることが主目的です。その一つとして山登りがあるに過ぎません。子どもが成長していく過程の中では、人間の基本となる動作や感覚を磨く意味でも、反復する行為や動作が大切です。子どもは繰り返す行為によって、様々なものを学び、身に付けていくのです。山登りは、とりわけ低山は、そうした子どもにとっても優しく、厳しく、暖かく受け入れてくれる教室であり、山そのものが先生なのです。

Q・資料請求しましたが、「資料はない」と言われました…。
A・2月13日に当ブログにアップする「募集要項」を読んでもらえれば、ほとんど理解できますので、募集に当たっては公平を期す意味でも事前に配布する資料はありません。さらに言えば、パンフレットのような資料を作ることにも関心はありません。山登りは、カタログを見て商品を購入するような消費行動とは違います。そもそも山登りとは、100%想定した通りに実現できるものではありません。しかし、想像し計画を立てることはとても大事です。山登りは、その想定したことと現実の違いから学ぶスポーツです。ですから、カタログをどんなに飾り立ても、工業製品を買うようにそっくり同じ体験、同じ学びが得られるわけはないのです。当ブログやFacebookをご覧いただければ、おおよその活動内容や活動主旨は理解できると思います。それでも資料がないとなにも判断できないという方は、情報満載の親子向けツアー登山などを探して下さい。そちらはきっと至れり尽くせりだと思います。

Q・落ち着きのない子どもですが、大丈夫でしょうか?
A・キッズクラスには、いわゆる発達障害と言われる子どもたちも参加しています。自分のザックを自分で背負って、自分の足で歩ける限り、どんな子どもでも受け入れています。しかし、登山中に明らかな危険行為や勝手な行動をとった場合は、その場でガツンと叱ります。(これは親であっても同様に容赦なく叱ります)場合によってはその場で下山を命じたり、退会を促す判断をしますが、過去においてそうした事例はありません。平地と違って山には様々な危険要因がひそんでいるので、子どもの性格や障害の有る無しに関係なく、状況にあわせて「ダメなものはダメ!」と厳しく注意します。ほとんどの場合、子どもたちは素直に聞いてくれます。

Q・根気のない子なんですが、大丈夫でしょうか?
A・男の子に多くみられるケースですが、歩き始めはやたらと元気があるけど、登りはじめると途端にブツブツ文句を言い出し、そのうちぐずったり泣いたりして、歩みもどんどん遅くなる…。「休憩はまだ?」「あと何分歩くの?」「足が痛い」「お腹が痛い」などと不平不満を次々に口にしてきます。そういう声が聞こえてきても、私は無視します。泣こうがわめこうが、よほどのことがない限りは、想定した休憩ポイントに着くまでは歩き続けてもらいます。キッズクラスは最大で1時間前後、休まずに歩くこともあります。こうした「へなちょこ男子」の場合も一年間休まずに参加できれば、ある程度まで根気も持久力もつきますが、日常生活からの努力や取り組みがなければ、月に一度だけの山登りだけでは限界があります。山登りをきっかけに、子どもの生活習慣の改善や親子関係を見直すことも必要になるケースが多いと思います。

これはなにも子どもに限った話ではありません。最近では意志薄弱、自分勝手で享楽志向の強い親御さんも増えています。何かをコツコツとやれる根気や向上心に欠ける親が多ければ、子どもにそれを期待しても始まらないでしょう。山登りがすべての子どもに有効なスポーツであるとは申しません。子どもの能力を見出すものがほかにあるなら、遠慮なくそちらへどうぞ。しかし、これだけは言えます。どんなものであれ、最後までやり切ったことがない子どもは、何をやってもまた同じようにつまずくでしょう。それがクセにならないうちに、なんでもいいから最後まで一度やり切ってほしいと思います。答えを出すのは、それからでも遅くはないと思います。

Q・どうしても親子で登山用品を揃えなければいけませんか?
A・親子ともザック(リュックサック)、レインウエア、登山靴を用意して下さい。トレッキング・パンツ(ズボン)も登山に適したものを履いて下さい。ウエア類もコットンではなく速乾性のある衣類を着用して下さい。ジーパンやスニーカーでの参加は固くお断りします。親子山学校の山登りは、雨や炎天下でも3時間、4時間と歩きます。水たまり、ぬかるみの道も歩きます。凍てつく真冬でも歩きます。入会から八ヶ月後の11月には、朝から日没までの時間をかけて、山から山へ19キロの縦走を全員で行います。そうした山でも不安なく過ごすためには、登山に適した服装や装備が不可欠です。野球やサッカーには、それにふさわしいユニフォームやシューズがあるのと同じことです。まして山登りは、変化する自然を相手にするスポーツです。管理が行き届いた公園のような場所ではありません。「装備や服装など自由でいいじゃないか」という考えの方は、どうぞ個人的にやって下さい。

Q・まったくの初心者です。一年続ければ山の経験値やスキルは上がりますか?
A・親子山学校のキッズクラスでは、標高1000メートル以下の、登山道が整備された低山に登ります。しかし、そうした低山といえども、歩く道はすべて不定形であり、一つとして同じ道はありません。登山道には、岩や石もあれば、露出した木の根っこ、道をふさぐ倒木、水たまりやぬかるみ、片側が谷に切れ落ちた細い道、落石の可能性がある斜面にそった道、判断に迷う標識のない分岐点、そういった不確かな要素が混在しています。それらの悪路をバランスよく安全に通過して、無事に帰ってくる行為が山登りです。ですから、低山であっても初心者親子が十分に学べる要素を持っています。この低山をどんな天候でも落ち着いて登れる親子は、それだけで立派な登山者だと思って下さい。

けれども、キッズクラスでの山登りは、山登りの一つに過ぎません。登山のすべてを一年でマスターするなんて、どだい無理な話ですし、山登りにゴールはありません。一年間、毎月一回登った経験者は、一年に二、三回登った人よりましであるという程度に過ぎません。しかし、毎月登っていても、なにも考えず漫然と参加して終わるのでは、何も経験しなかったことと同じです。わずか二、三回の登山でも、その登山での経験を深く考え、学べた人の方が優れた登山者になれるかも知れません。初心者が登山の経験値を上げる一番の近道は、自然や自分の能力に謙虚に向き合える姿勢だと思います。「あの山はもう登った」「それはもう知っている」そういう考えの方は、一人でおやりになることを強くおススメします。

Q・どういう方が引率、指導されるのですか?
A・キッズクラスの毎月の山行は、班ごとに分かれて一つの山に登ります。班には必ずリーダーとサブリーダーがつきます。リーダー、サブリーダーは主宰者と複数の専任リーダーが中心に担当します。専任リーダーとはいえ、あなたと同じように子どもと一緒にキッズクラスに参加しているメンバーの親御さんです。参加二年目からは専任リーダー以外の親御さんも、リーダーやサブリーダーを担当します。つまり、誰がリーダー、サブリーダーになっても、同じ意識で仲間の親子をまとめ上げ、安全に登山が終えられるように取り組んでいます。そのためには、役割のない親子や一年目の親子であっても、登山中には一人一人に安全登山への「注意義務」が求められます。ましてやキッズクラスのリーダー、サブリーダーは「ガイドさん」ではありません。キッズクラスのすべての親子は、それぞれに自主性と責任感をもって参加することが前提です。金魚のフンでいられるのは、最初の一年目だけです。

Q・とても良さそうなので、主人と子どもに参加させたいと思います。(母はお留守番!?)
A・こういうケースでありがちなのは、親子山学校の流儀をまるで理解できていないまま、終始お客さん状態で山に「行かされている」ご主人です。申し込んだ人と参加する人の意識が違うというのは、不幸の始まりである場合が多いのです。動機はなんでもかまわないのですが、参加する親自身が山を楽しんでいないと、そばにいる子どももいつまでも暗いままです。なかには、なんの期待もなかったのに参加してからどっぷりとハマってしまうお父さんもおります。そういう場合は、子どもも自然に山に馴染んでくれます。当たり前のことですが、親子山学校の活動主旨を親子でしっかり確認し、理解した上で参加するようお願い申し上げます。「なんとなく良さそう」という参加はよしましょう。「なんとなく」が通用するほど、山は優しくはありませんし、親子山学校もそこまで寛容ではありません。お互いに時間の無駄はよしましょう。

Q・キッズクラスに入るには毎年難関だと聞いていますが。受かるコツは?
A・募集要項に書かれている内容をきちんと読み、応募に必要な申請の記入事項を「指定した通りに、落ち着いて正しく書けばよい」だけです。入学試験でも入社試験でも同じですよね。ましてや親子山学校には難しい「設問」はありません。あるのは参加する親子の個人情報の記入と、簡単な課題作文(四百字程度)だけです。ちゃんと読まずに、勝手な解釈で書いたものはすぐに分かります。よくある間違いは、生年月日を西暦でと指定しているのに、平成〇年と書いてくる例。郵便番号の記入も求められているのに抜けていたり。(こう書いてあげても、毎年必ず記入ミスする方がいます)そういう箇所が複数あると問答無用で「不合格」にします。しかし、なんでもそうですが、受かることが大事ではありません。親子が問われるのは、実際の山登りでの姿勢や努力です。