よちよち山

よちよち山のフィールドの一つ、日和田山で


「よちよち山」クラスは、来年2016年3月をもって「修了」とさせていただきます。

「よちよち山」は親子山学校の下部組織として、「ジュニアクラス」「キッズクラス」に続く幼児のためのクラスとして、2012年秋から試験的に始めました。街角などで見かける、文字通りによちよち歩きを始めた小さな子の、その嬉しそうに歩く姿を見たときに、ヒトが生まれて立ち上がり、歩きだすことの原点を見る思いに、あらためて感動を覚えました。



「この子たちを山に連れていったら、どんな歩きを見せてくれるだろうか」。それが「よちよち山」を始めようとした最初の動機でした。小さなうちから山や自然に触れてもらいたい。山を恐れずに、どこまでも歩ける心とカラダを育んでほしい。そう願ってはじめたクラスです。

登る山は高尾山と日和田山に絞って、二つの山を交互に何度も反復しながら登ってきました。
スタート当初は、参加者もわずか2組、3組という小さなクラスでしたが、半年、一年と継続するあいだに参加者はみるみると増えていきました。2015年度の今年からは、他のクラス同様にメンバーを固定して、一年を通して参加してもらうスタイルに改めました。

「よちよち山」を巣立って、「キッズクラス」に上がった親子はすでに数組おります。「よちよち山」出身の子どもたちは、「キッズクラス」の中ではまだ最年少者ですが、年上の子どもたちに混じっても、まったく引けをとらない歩きを披露してくれます。キッズとは比べ物にならないほどユルイ山歩きしかやってこなかったのに、この子たちの中にしっかりと山に向き合える心身が宿っていることを知りました。

「よちよち山」の親子が、すべて同じように成長するわけではありませんが、こうして一定の成果をあげてきた3年間に、継続してきた意義と役目はあったと実感しています。今後は「よちよち山」で学んだことを、「キッズクラス」「ジュニアクラス」の子どもたちにフィードバックし、親子山学校としてあるべき<親子登山>の地平線を求めつづけたいと思います。

来年度の「よちよち山」入会を心待ちにされていた方、あるいは来年も継続を考えていらっしゃったメンバーのみなさんには申し訳ありませんが、「よちよち山」は2016年3月の活動をもって「修了」いたします。たとえ「よちよち山」はなくなっても、子どもと一緒に歩ける時間はわずかなものです。そのかけがえのない時間を、それぞれの暮らしの中で実践し、継続し、子どもの<歩くチカラ>を育ててていただけることを願ってやみません。

親子山学校
主宰 関良一