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親子山学校からのお知らせ全般をお伝えします。

高尾山でも近年、盗掘に遭っている植物の一つセンブリ


東京・高尾山のビジターセンターが発行しているニュースレター「のぶすま」2022年秋号(vol.69)には、「高尾山で起きている問題・観察マナー編」と「高尾山のれきしvol.31高尾山のゴミ問題、昔と今」と題した記事が大きく掲載されています。

私の知る限り「のぶすま」でここまで山のマナーについて突っ込んだ記事を見たのは初めてです。それだけ心ない人たちによるマナー違反が増え、深刻な問題に発展しているということだと思います。

下記のURLからも「のぶすま」秋号が閲覧・プリントアウトができますのでぜひご覧下さい。
https://ces-net.jp/takaovc/?page_id=465

「高尾山で起きている問題」では、希少植物の盗掘問題や写真撮影による植生地への踏み込みで植物が育つ場所の裸地化の問題が指摘されています。また花の咲いている場所をSNSなどで特定して発信しないこと・・など、私たち親子山学校の日頃の活動にも少なからず関わりのある問題提起が特集されています。

盗掘問題については、今年10月に行ったジュニアクラスの陣馬〜高尾縦走の際に、或るマイナールートを歩いた時に偶然見つけた植物なども、盛んに盗掘にあっている代表的な植物でした。滅多に人が歩かない道だったから盗掘されずに咲いていたのでしょう。

高尾山系の或る場所には、毎年ニリンソウが群生する場所があります。その素晴らしい一大群生地に出会ったのは10年以上も前のことです。この群生地もマイナーなルートの一部ですが、もちろん知っている登山者は知っています。けれどもこの場所だけは、親子山学校でもプログラムには入れていません。人間が管理している花木園ならいざ知らず、奇跡的に残された自然の群生地です。なるべくそっとしておきたいと思うから、たとえ親子山学校のメンバーでもあえて紹介することはしません。

ところが数年前の開花期にその場所を訪ねたら、本来は人もまばらなその群生地に何人もの登山者が集まっていて、群生地の奥には以前にはなかった新しい踏み跡が伸びていました。明らかに不特定多数の登山者が、ニリンソウ目的でやって来ているのが分かりました。以前はなかった踏み跡は、おそらく写真撮影しやすいようにと誰かが最初に踏み込んだ跡に、また次に訪れた者が入り込むことで出来上がってしまった道です。それはなんとも悲しい傷跡でした。

その群生地からひと登りした尾根上のメインルートに上がってみて、ハイカーが増え、新たな踏み跡が作られた理由が分かりました。

なんとメインルートからニリンソウの群生地へと下る目立たない分岐に、誰かが手書きで「ニリンソウ、この下」などと書かれた紙が掲示されていたのです。私は怒り心頭で、すぐに取り外し破り捨てました。本人は良かれと思ってやったのでしょうけれど、これは自然保護の観点からも絶対にやってはいけない犯罪級の余計なお世話です。これ以外にもおそらくSNSなどで、場所を特定する情報が流されていたと思います。

私も山で出会った植物に関しては、場所が特定できるような仔細な情報発信は避けるように配慮してきたつもりですが、これからはもっと慎重に扱う必要がありそうです。

「のぶすま」秋号には親子山学校のキッズクラスで取り組んでいる「ゴミ拾い」にも関連した、「高尾山のゴミ問題、昔と今」の連載記事も掲載されています。こちらも看過できない大事な問題ですので、合わせてお読み下さい。

そして、登山道でおかしな行為を見かけたら「どうしました?」などと声をかけた上で、「そこは植生を保護している場所ですから、ロープの中には入らないで下さいね」「高尾山は(国定公園であり)自然公園法が適用されている場所ですから植物の採取はダメですよ」「ここは鳥獣特別保護区ですよ」などと一声かける勇気も必要です。注意に応じない場合は、その時の客観的情報をビジターセンターなり然るべきところに報告することも大事です。私の場合は、明らかなマナー違反者に対しては遠慮なく厳しく叱責します。


キッズクラスの月例山行で行っているゴミ拾い