歩くチカラと<子どもこんだて>
親子山学校の活動主旨を一言であらわすと
〈歩くチカラ〉を親子で身につけましょう
ということです。
歩くチカラとは、身体的な能力を高めること
だけではありません。人には歩くことによって
叶えられる喜びやたどり着ける世界がたくさん
あるんだということを知って頂きたいと願っています。
その〈歩くチカラ〉の源になるのは食べ物です。
とりわけ育ち盛りの子どもにとっては、ふだんの食事はとても大切です。
親子山学校に参加する際の条件の一つに、山には市販のお菓子は持って
こないで下さいということがあります。
「では、おやつは何がいいんですか?」という質問には
「山のおやつはおむすびで十分です」と答えています。
キッズクラスの子どもたちは、休憩ごとにおむすびをパクパク食べています。
おむすびしかないから必死に食べているのかもしれませんが、そのうち
おむすびだけでもなんの問題もなく過ごせるようになります。
子どもなりにおむすびが一番チカラになるし、満足感が得られるとわかって
くるからです。
しかし、それでもなかなか〈心の背骨〉が出来上がらず、根気が続かない
子どももいます。ふだんの家庭での食生活は親子山学校も立ち入りできません。
若いお母さんたち自身も、好きなものを好きなだけ食べて育ってきた世代です。
一見舌は肥えているようですが、案外本物の食事を知りません。
ですから、子どもにどんなごはんを食べさせたら良いかがわかっていない
場合があります。
そういう方には、幕内秀夫さんの書かれた
『子どもこんだて じょうぶな子どもをつくる基本食』
(主婦の友社・1500円)をお薦めします。
今から十年以上前の平成13年の初版ですが、幕内秀夫さんは昔ながらの和食に
基づいた食材や献立を本書の中で紹介しているので、今でも十分通用する中身です。
子どものごはんに気を使いたくても何が良いのかわからない親にとっては、
とても参考になる良書です。