ジュニアクラス

心身を育んだ子どもたちが、 より高い稜線をめざす「ジュニアクラス」。 歩くチカラから、生きるチカラへ! (写真:八ヶ岳、東ギボシの山頂手前を行く子どもたち)

6年生Y・Sさんが書いた答辞


■親子山学校には4歳児から小学生までが在籍するキッズクラスと、その上のクラスとして小学生だけのジュニアクラスがあります。親子が手を取り合って登るキッズクラスに対して、ジュニアクラスは子どもたちが主役です。ジュニアの子どもたちには、毎回山登りを通して様々な「表現」や「責任」が求められます。同行する保護者は一切口出しせず、黒子のように支えるだけです。

■15年の伝統をもつ親子山学校でも、6年生までやり遂げて卒業できる子どもは、ほんの一握りです。2014年春にやっと初めての卒業生を出してから、毎年2名ずつの6年生が巣立って行きました。去年までの卒業生の合計はやっと8人。全員男子でした。

■そして迎えた2018年度。初めて6年生まで山登りを続ける女子が現れました。それも4人も!彼女たちを含め8人の6年生が、この一年間の山登りに一生懸命取り組んでくれました。

■3月24日、キッズクラス時代から何度も登ってきた陣馬山で、ジュニアクラスの卒業式を行いました。主宰の式辞、初代卒業生の保護者からの祝辞、5年生による送辞と続いて、最後に答辞を読み上げたのは6年生の女子Y・Sさんでした。

■その答辞の全文を、ここに掲載します。ジュニアクラスの子どもたちが、どのような葛藤を抱えながら真摯に山に向き合い、心と体を育ててきたのかを感じてほしいと思います。

親子山学校
主宰 関 良一

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 「答辞」

みんなは、一番初めに登った山についておぼえていますか。私は一番初めに登った陣馬山がつらかった事を今でもはっきりとおぼえています。

二年生のときは、山に登ることが楽しかったです。三年生でジュニアに上がって楽しいだけじゃなくて仲間と登る山の楽しさを教えてもらいました。

学校の友達とは全然ちがう仲間に出会えました。キッズ(クラス)を一年しかやらなくて心配でした。

六年生の春にマナスル山荘で「心を一つに美しい登山」という目標を立てました。そして夏の雲取山山岳塾でリーダーをやりました。不安でいっぱいでした。皆が緊張しないように、皆が楽しめるようにと思い色々考えました。

一日目。色々考えたけど、自分の思ったことがあんまりできなくて少し自信を無くしました。三条の湯では、すごく楽しかったです。BBQはおいしかったし、花火はきれいでした。

二日目。私の思っていることが全然できませんでした。もっとテキパキ行動すれば良かったと後悔する事がたくさんありました。

後悔しても現実は変わらないけど私じゃない他の六年生がリーダーをやったら良かったと思い、どんどん自信を無くしていきました。でも他の山のときに、私は私のベストなリーダーをやればいいと気付きました。他の人みたいになる必要は無いと思いました。

そして残り少ない親子山の仲間と登る一回一回の山を大切にしようと思いました。

この五年間私は色々な山に登り色々な経験をしてきました。でも、この経験は一人ではできないものでした。

関さん、山に連れて行ってくれて山の楽しさやルールを教えてくださって本当にありがとうございました。

保護者の皆さま。朝早いときもおいしいご飯を作ってくれたり、山の準備を手伝ってくれてありがとうございました。

専任リーダーの林さん、松本さん、依田さん。困っていたときに相談に乗ってくれたりアドバイスをくれてありがとうございました。

ここにはいませんが山小屋の方々。いろいろな話を聞かせてくれたりおいしいご飯を作ってくれたり、本当にお世話になりました。

そしてたくさんの時間を一緒に過ごしてきた六年生の、しんば、りんたろう、さくと、だいちゃん、ちかなちゃん、えまちゃん、さえちゃん、本当にありがとう。皆と同じ山に登って一緒に過ごせてうれしかったよ。

最後に一緒に登ってきた仲間達。皆で同じ目標に向かい、泣いて笑って過ごした時間を忘れません。これから、また皆で同じ目標に向かって頑張って行くと思います。その中でうまく行かない事もたくさんあると思います。そんなときも皆と過ごす時間を大切にしてください。

同じメンバーで同じ日に同じ山に登る事は、二度とありません。一回一回の山を大切にしてください。

平成三十一年三月二十四日 Y・S


答辞の一部


答辞を読むY・Sさん


卒業証書を手にする6年生たち


卒業生だけに与えられる栄光のピンバッジ