安全登山への取り組み
親子山学校では安全登山への新たな取り組みとして、2016年度から「安全登山活動記録表」の活用を始めています。略して「安全シート」と呼んでいます。
これは多くの建設工事や製造業等の現場で作業する方々が取り入れている、「危険予知活動(KY活動)」と呼ばれるものを、登山向けにアレンジしたシートです。いわゆる「登山届」とは性格の異なる、安全登山に特化した内容のファイルです。重大事故も度々起こる登山の世界でなぜこうしたものがなかったのが不思議なくらいですが、親子山学校では業界に先駆けて(?)安全登山活動を取り入れます。
■「安全シート」は、毎月のトレッキングで登る山のルートに、どんな危険要素があるのかをあらかじめ予知(下調べ、想定)し、そのリスクを回避するためにはどんな安全策を講じて臨むかを事前に具体的に書き出します。
■作成は班を引率するリーダー(メンバーの父兄)が行います。そうすることで、リーダーにも事前にルートの詳細を思い描く訓練にもなります。
■リーダーは、山行当日の朝のブリーフィングで参加者に内容を伝え、注意喚起し、参加者全員が閲覧・署名し、情報と意識を共有してから出発します。
■地味なことですが、こうした活動を徹底していくことで、リーダーやサブリーダーを担当するメンバーのみならず、参加する親子全員に安全登山への意識と実践をしっかりと身に付けてもらいます。
■「安全登山活動記録表」のファイルはまだわずかなものですが、これが三年、五年、十年と継続することで貴重な資料となり、一人ひとりの意識が変わるだけで山のリスクの大半が軽減されるものと確信します。