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卒業生を囲んで記念撮影(一丁平)


去る2025年3月30日(日)、高尾山に連なる奥高尾縦走路の一丁平で、親子山学校の2024年度の卒業式を執り行いました。親子山学校の卒業式は小学校6年生まで山登りを続けた子どもたちへ、その努力と精進を讃えて卒業証書を授与しています。2024年度の卒業生は三名です。2003年4月の活動開始から21年間で、この卒業証書を手にした子どもは61人しかいません。

式辞の類いは一切なく、卒業証書授与のあとは参列した親子メンバーやOB・OGら100名で合唱をして終了しました。シンプルかつストイック。これが親子山流です。


「最初の行動」

真剣勝負の場では、最初の一撃でほぼすべてが決まる。

時間をかけて戦って勝てる見込みがあるのは、囲碁とか将棋のような頭脳戦の試合くらいだ。

最初に受け止めたボール、最初に思い浮かんだひらめきに従って始めの一歩を踏み出せば、
そこから先、物事は次々と好転していくだろう。

最初の啓示を素直に受け入れ、最初の一歩を確信を持って踏み出せる者が、この幸運を獲得していく。

最初の行動を素直に行えない者は、いたずらに時間を浪費するばかりで、何をやっているのか本人にも
他人にもさっぱり分からないものしか出来上がらない場合が大半だ。

子どもの習い事、子どもの受験もしかり、最初から目的に向かって迷わず真っ直ぐにやれた子どもは、
あっという間に行きたい場所に到達できる。

その間に費やした時間を、当人は苦労したなんて気持ちは何一つ感じていないはずで、
夢中になれたことの満足感の方がはるかに優っているだろう。

満足できたその体験が、その子自身を更新させ、その行為の連なりの果てが、社会を変えていく力になるのだ。

親子山学校 
主宰 関良一



■キッズクラス15期生の募集はすでに締め切りました。現在、募集はしておりません。(2025年2月25日)

2025年度の親子山学校「キッズクラス15期生」親子メンバーの募集を開始します。
入校を希望する方は、メールで「募集要項」の請求を行なって下さい。

■メールの宛先
件名「15期生募集要項希望」として 
info@oyakoyama.com まで
■メール本文には以下の項目を必ずご記入下さい。
・入校を希望する親子全員の氏名
例:田中太郎(父親)
  田中 幸(母親)
  田中 花(4歳)
・お住まい 東京都世田谷区(これ以下は省略して構いません)
■以上の内容でメールで受け取り次第、折り返し2025年度の「募集要項」をメールに添付して送信します。内容をよくお読みいただき、必要事項を記入の上、正式に申し込んでいただきます。
応募受付は本年2月24日(月)までです。ただし、想定を超える多数の応募があった場合は早めに締め切る場合がありますのでご了承下さい。

★正式に応募された方への合否の連絡は2月24日以降になりますが、早期に応募のあった一部の方には早めにお知らせします。(2月18日追記)

2025年2月17日
親子山学校

現役メンバーからの声


年少さんでも20キロの縦走を歩いています


〈山学校大好き〉
私は学校の体育が苦手ですが、山登りは大好きです。
好きな理由が3つあります。
1・山で食べるご飯はおいしい
2・登り切ったとき、気持ちがいい
3・みんなで励まし合って登山できる
いっしょに山登りをしませんか。
(Y・Sちゃん 小2 親子山歴1年)


〈心を一つに美しい登山〉
声掛けが前から後ろから、バトンを繋ぐように伝えられていく光景。
コンパクトにまとまった隊列が尾根を颯爽と歩く光景。
親子山だからこそ実現できる集団の美しさです。ぜひその一員に!
(K・Sさん 小3男児と母子で参加 親子山歴4年)


学年が上がるにつれて美しく歩く子どもたち


〈同じ山を登る私なりの意味〉
毎年同じ山に登ります。何度も繰り返すこと、それは茶道や柔道のカタに似ていると思う。山は同じでも天候や家族のコンディションで状況はいつも違います。その日だけの帳尻合わせは出来ません。丁寧な繰り返しが、家族にとって日々の足りないものや過剰なものを見直す大切な時間になっています。
(H・Kさん 小3男児とご主人の親子3人で参加 親子山歴5年)


高学年生は班のリーダーとして下級生を引っ張ります


〈やればできるの究極形〉
戦うのは他の誰かじゃない。他ならぬ自分だ。
「やればできる」の究極形が親子山学校。
私たち親子にとって、ここは気力・体力を養い、
心を磨き、自他と向き合う場です。
厳しさも温かさも混在する唯一無二の〈道場〉です。
(S・Sさん 小6男児と母子で参加 親子山歴6年)


2年に一度の子どもの芸術祭「オヤコヤマビエンナーレ」も活動の一環です

〈親も子も同じ経験を共有〉
他の習い事と違い、親も子も全く同じことを同じように経験し学びます。子供は体力がつき、大人は初心に帰ります。みんなに助けられながら顔馴染みになり、慣れていきます。登山は一生楽しめる活動なので、その基本を学べる事は大きな財産です。
(H・Mさん 小3と小1の二児と参加する父親 親子山歴3年)


6年生まで続けた子どもたちの卒業式も山の上で行います


「キッズクラス」15期生の親子メンバー募集の事前案内として、Q&A形式で基本情報をお伝えします。

★親子山学校ではお渡しできる資料(リーフレット、カタログ等)は一切ありません。情報はネット上に公開しているものを参考にして下さい。
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入笠山の冬合宿(標高1955m)



最終回「子どもとつなぐ手」

最近、孫のような小さな人と手をつないで
歩いたことがありますか。私にはまだ孫は
いませんが仕事柄、幼い子どもと山登りで
手をつないで歩く機会があります。その子
の親ではない私だからこそ、子どもと手を
つなぐことで感じることがたくさんありま
す。思いつくまま並べてみましょう。

 私に心を許してくれる子どもの手はふん
わりとして柔らかで、握った手から暖かい
ものが伝わってきます。反対に私を警戒し
緊張している子の手は硬く冷たく、できれ
ばその手を振り解こうという気持ちさえ伝
わってきます。子どもは正直ですから、そ
うした感情が握った手からも感じ取れるわ
けです。

 健康な子どもの手は冬でもポカポカと暖
かく、表情の乏しい子どもの手は夏でも冷
たいものです。手をつなぐだけで相手の心
や体の状態が分かります。

 主体的に歩ける子どもは手を握っていて
も一体感があってこちらも楽しく歩けます。
手を引かれないと歩けない子どもは、こち
らの心まで引きずられるようでとてもくた
びれます。それでも手さえ握っていれば、
その子がつまずいて転びそうになってもす
ぐさま手を引けば転倒を防ぐことができま
す。手をつなぐ行為は、子どもを安全に確
保するためのザイル(綱)のようなもので
あり、心を通わせ信頼の絆を育む素敵なス
キンシップです。

 あなたにもしも小さなお孫さんがいらっ
しゃるなら、散歩の時でも構いませんから
その愛らしい手をやさしく握って一緒に歩
いてみて下さい。手のひらを通して子ども
から暖かいものを感じた時、それは何物に
もかえがたい喜びとなるはずです。これか
らも子どもや若い人たちと共に、どうぞい
つまでも健やかにお過ごし下さい。

 一年間のご愛読ありがとうございました。

(初出:『女性のひろば』2024年7月号)


文と写真:関 良一(親子山学校主宰)