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『山と渓谷』2017年6月号表紙


山岳雑誌『山と渓谷』2017年6月号の特集【夏山登山を変える最新テクニック70・実践者が教える「計画・装備・行動」の新常識】に、親子山学校主宰の関良一が記事を寄せました。

特集ページ「計画編」の中で「親子」向けの夏山の楽しみ方として、子どもと「山小屋」との上手な付き合い方を提案しました。おすすめの山とルートは八ヶ岳の「編笠山・西岳」、利用する山小屋は「青年小屋」です。あくまでも2500m級の山なので、親子の技量に照らして計画・実践して下さい。


子どもたちと登った北八ヶ岳の縞枯山(2016年夏)


親子山学校の活動主旨を知っていただくには、「なぜ親子で山に登るのか」、「親子で登る山にはどんな苦楽があるのか」に答えなければなりません。その答えの一つとして、小著『4歳から登れる首都圏の親子山』の「はじめに」に書いた文章を紹介するのが一番分かりやすいと思いますので、ここにその全文を掲載します。

4月からの入校を検討されている親子は、どうぞご一読ください。

※2017年度キッズクラス第7期生の募集要項は、2017年2月13日(月)から17日(金)の五日間、当サイトにアップし、応募を受け付けます。

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2015年8月北アルプス・スバリ岳に立つジュニアの岳童


例年12月には、キッズクラスから数名の子どもたちが、翌年の「ジュニアクラス」入りを賭けてトライアル登山に挑みます。ここ二年は倉岳山(山梨・大月市)を舞台に、日帰りで10キロほどの行程を歩きます。今季は6名の子どもが挑戦し、4名合格、2名不合格となりました。合格した子どもたちはよほどの事情がない限り、小学6年生まで山登りを続けます。

親子山学校のジュニアトライアルでは、子どもたちのどんなところを観察し評価しているのか。昨年12月24日に実施したトライアルの審査結果から、その一部を初公開します。

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当日は、親御さんも立ち合いのもとで行いましたので、実地状況はご覧になった通りです。実地そのものは、何一つ特別なことはしていません。私は子どもたちの後ろについて、登りと下りを中心に、それぞれの歩く様子を拝見しました。

子どもたちを見る評価の基準はただ一つ、その歩きやその行動が「ジュニアで登る山に通用するかどうか」です。キッズクラスでは大目に見られても、ジュニアでは決して見過ごせない大事な事柄です。そのジュニア基準とは何かを、皆さんにも具体的に分かりやすく示すために、「カラダの評価」と「ココロの評価」の二つに大別しました。

さらにAからDまでの四項目から子どもの達成度を見て、それぞれを5段階評価にしました。オール5なら満点の20点。合格ラインは15点以上としました。したがって15点以下は不合格となります。


一万円札の肖像画でおなじみの福澤諭吉


みなさんは福澤諭吉のことをご存知ですか?身近なところでは一万円札の肖像画でおなじみの日本の偉人です。慶應義塾大学の創立者であり、近代日本の思想、教育などに多大な貢献をした人物ですよね。でも、偉人というくくりで見てしまうと、近寄りがたい硬い人物というイメージが拭えません。私もそうでした。

が、彼が晩年に述懐した口述筆記をもとにした『福翁自伝』を読んで、私の勝手なイメージはことごとく崩壊しました。福澤諭吉って、国家や権力にも束縛されず、自由闊達でユーモアもあり、生涯に渡って独立自尊を貫いた痛快な人物でした。そして、彼が残した言葉の中には、親子山学校が親子登山を通して模索し続けてきた親子の在り方や子どもとの接し方にも、勇気と指針を与えてくれるものがいくつも散見できました。



■アイゼンを用意する

親子山学校では年間を通して山登りをしているため、親子全員アイゼンの携行が必要になる時期があります。キッズクラスで登っている低山でも、例年1月から2月には積雪があります。ジュニアクラスでは標高二千メートル前後の雪山に行きます。低山は雪そのものは少ないのですが、アプローチで歩く日陰の林道、北向き斜面の登山道などが凍結している場面によく遭遇します。スリップして転倒すると骨折する危険もあるため、アイスバーンをしっかりと捉えてくれるアイゼンは欠かせません。